礼拝の時を告げるアザーンが鳴り響き,美しいミナレット(モスクの尖塔)が立ち並ぶエジプトの首都カイロはイスラムの中心都市として発達してきました。砂漠の国エジプトでは国民のほとんどがナイル川に寄り添うように生活しています。
 2004年に,日本とエジプトは友好140年を迎えました。幕末の1864年,池田筑後守を正使とする遣仏使節団がフランス訪問途中に,日本人として初めて,ギザのピラミッド,スフィンクスを訪れたことに起源を発します。
 カイロ日本人学校は,1983年にそれまでの間借りの校舎からギザの3大ピラミッドの近くに新校舎を建設し移転しました。当時の記録によれば,新校舎を建設するにあたり,たくさんの企業の方々や日本政府のご支援,それにカイロ日本人会の皆様の長い年月にわたるご努力の結果であったことがよくわかります。私たちは先輩方のご苦労に報いるためにも,カイロ日本人学校のいっそうの発展のために日々努力していきたいと思っています。
 本校では,日本国内より高い水準をめざし,学力の向上に力を入れています。基礎基本を大切にし,発達段階に応じて主体的に学習する力を育むとともに,少人数の利点を生かし,一人一人に応じたきめ細やかな指導をしています。また,海外で生活するメリットを生かして,現地理解教育や国際理解教育に力を入れています。英語活動では,外国人の講師を採用し,コミュニケーション能力のいっそうの向上に努めています。
 カイロ日本人学校では,現地の環境を活用した様々な体験活動を工夫して,実践しています。児童生徒が日本ではできない貴重な体験を通して,多くのことを学んでほしいと考えています。いくつかをご紹介します。
 ○全校植樹(11年継続して実施,5月)
  ・カイロ日本人学校から北へ約120キロのところにある植樹園での植樹活動。
   広大な砂漠の一画に,毎年毎年児童生徒が一本ずつ植樹。
 ○ピラミッド持久走大会(20回実施,2月)
  ・学校の近くギザのピラミッドのまわりの舗装道路を使った持久走大会。
 ○修学旅行(3泊4日で,小学部5・6年と中学部2・3年が隔年に実施,5月)
  ・本年度は中学部がギリシャへ。
 ○全校砂漠ハイキング(2月)
  ・学校から少し離れたダフシュールのピラミッドへ行き,そこから2kmほど離
   れた隣のサッカラのピラミッドまでのハイキング。(一昨年の例)
 ○学習発表会(1988年に日本政府が提供したカイロオペラハウスで開催,12月)
  ・日頃の学習や音楽の成果の発表会。そして,交流しているカイロ大学日本語学
   科の学生やアルスンインターナショナルスクールの生徒による発表。
 ○日本人学校運動会(日本人会と共催,11月)

 カイロ日本人学校は,児童生徒数44名(5月1日現在)の小規模な学校です。その利点を生かし,教職員が一丸となって,児童生徒一人一人の良さを発見し,気づかせ,伸ばしていきたいと思います。そして児童生徒,保護者,日本人会に,信頼される学校をつくっていきたいと思っています。

                      平成19年5月
                      カイロ日本人学校 校長  戸崎  勝